ジルコニアとは
ジルコニアとは金属ジルコニウムの酸化物で二酸化ジルコニウム(ZrO2)の通称です。
融点は2690℃と高く、耐熱性に優れているため耐火材として多く使用される他様々な用途に活
用されています。
・ジルコニアセラミックス
ジルコニア(ZrO2)は靱性が高いセラミックスとして知られ、機械的強度が高いため刃物や工
具などにも使用される酸化物系 セラミックスです。
・高強度・高破壊靱性
ジルコニアは常温において機械的強度の最も高いセラミックスです。アルミナに比べても遙か
に高強度で有り、破壊靱性(破壊 に対する抵抗力、粘り強さ)などの機械的特性に優れてい
ますので、刃物やノズル、スペーサー、インプラントなどにも使用さ れます。
・熱的特性
前述のように融点は2690℃と高く、熱伝導率が他のセラミックスに比べてかなり小さいので耐
火材、断熱材として使用されます。
一方熱膨張率は大きく、鉄と同程度の膨張率のため、エンジンなど金属と組み合わせて使用す
ることが出来ます。即ち他のセラミックスの熱膨張率は金属の数十分の一なので金属と共に使
うと熱膨張の差によって破壊されてしまうが、ジルコニアセラミックスではそういった危惧は
ありません。
・耐薬品性
多くの薬品に対しては侵されにくいが、一部の酸と塩基には浸食されます。
フッ酸(フッ化水素酸)には激しく侵され、水酸化ナトリウム、硫酸、硝酸、塩酸にも多少侵
されます。
ジルコニアの物性
純粋なジルコニアには3つの結晶系が有り温度変化によって相移転します。低温では結晶軸の長 さの異なる
単斜晶をしており、1173 ℃になると正6面体を1方向に伸ばした角柱状の
正方晶、 2370 ℃では正6面体の
立方晶へと、結晶構造が相転移します。こ の相転移では体積変化を伴い、立方晶から正方晶への相移転では約7.9%の体積収縮、正方晶から単斜晶への相移転では約 4%の 体積膨張を伴います。従って温度の昇降を繰り返すとひび割れたり破壊がおこります。
安定化ジルコニア
前記の3つの結晶系を持つ純粋ジルコニアはmetastabel(準安定)で、室温では単斜晶系で安定していても、温度が上がれば相変化すると言った不安定さがありますが、安定化剤即ちイットリア(Y2O3)、カルシア(CaO)、マグネシア(MgO)、セリア(CeO2)、アルミナ(Al2O3)、ハフニア(HfO2)などといった酸化物を微量に添加して固溶化すると室温で立方晶が安定して存在する様になります。この室温において立方晶で安定したジルコニアを安定化ジルコニアと言います。安定化処理の一例をあげると、例えば結晶格子の中のZr4+イオン(0.82Å径)をこれよりやや大きいイットリアのイオンY3+(0.96Å径)で置き換えることにより、立方晶の安定化ジルコニアができるわけです。
部分安定化ジルコニア
また、安定化剤の添加量を少なくすると室温ですべてが立方晶にならず、単斜晶あるいは正方晶が分散した状態になります。この状態のものを部分安定化ジルコニア(PSZ:Partially
stabilized zirconia)といいます。部分安定化ジルコニアは安定化ジルコニアより機械的な強度が大きく、強靱性であるのでその特性を生かして多くの用途に利用されています。
ジルコニアの用途
ジルコニアにはその強靱性・熱的特性を生かして様々な用途があります。
機械部品・軸受け部品、電子部品検査装置部材、金型部品、ガイドローラー、粉砕メディアなどと言った強靱性、耐摩耗性を要求される分野や刃物、耐摩耗部品、固定電解質、耐薬品性を要求される分野、インプラントといった医療分野などの他、立方晶ジルコニアはダイヤモンドに似た屈折率を持つので模造ダイヤとも呼ばれ、宝石などにも用いられています。
そしてその
耐熱性、高い熱衝撃性などの特性から耐熱るつぼとして多く使用されます。
ジルコニアるつぼ
ジルコニアるつぼは・・・
前記の内
イットリア安定化ジルコニア(Y2O3)は耐熱性や耐化学薬品性が優れているため
るつぼの材料として最も適しています。
ジルコニアるつぼは空気中のような高温の酸化性雰囲気中で使用できる便利な多目的高性能るつぼで、特に他のるつぼでは使用できない2000℃までの超高温域における特殊な用途にも適しています。
注:ジルコニアるつぼは1900℃までは大気中で使用ができますが、不活性ガス雰囲気中であれば2000℃まで使用できます。ただし1900℃以上では多少黒ずんできます。
| SAM社では前記の様々な各種安定化剤による安定化、部分安定化ジルコニアの各種製品の製造を行っており、るつぼの材料としては大変優れたイットリア安定化ジルコニアによる様々な大きさ形状のるつぼを提供しています。 |